FC2ブログ

月の栞

本の扉を開けて色々な物語の旅に出かけませんか? 本の虫『つきの』が、あなたの本の旅のお手伝いをします。

「 結局、どんな才能のある人の言葉でも、予言や占いは当てにならない。自分で確かめてこそ、納得ができるのだ。

 出典:『 強運の持ち主 』瀬尾まいこ より


※今回はリクエストいただいた瀬尾まいこさんの作品です。
瀬尾さんもずっと読みたいと思いながら、読みそびれていた作家さんだったのでリクエストが良いきっかけになりました。ありがとうございます。

吉田幸子ことルイーズ吉田はOLから転身してショッピングセンターの片隅で占い師をしています。
そんな彼女の元には子供から大人まで色々な悩みを持つ人々が訪れて・・・。
占いの師匠であるジュリエ青柳、恋人の通彦などルイーズを巡る人々。
ちょっと不思議な相談の数々と一筋縄ではいかない相談者達・・・。
  • ニベア
  • ファミリーセンター
  • おしまい予言
  • 強運の持ち主
四編のストーリーからなる連作短編集です。

ルイーズは主に直感と相談者の話を聞きながら占っていきます。
彼女は強かさも狡さもほどほどに持ち合わせた等身大の若い女性です。
ちょっと変わった相談も決して衝撃的な展開をみせるわけではないけれど、その世界観になんだかホッとします。
それはルイーズ自身のなんのかんのと言っていても相談者への対応の温かさや自分のことでは、あたふたしたり悩んだりしてしまう迷いが見えるから。

相談者が占いに求めるものは、最後の決断、背中をあと一押ししてもらうこと。
占いを通して相談者と関わっていくことでルイーズ自身、悩みながらも少しずつ成長していきます。

” 結局、自分で確かめてこそ、納得ができる ”
当たり前のようで気づかないこと。

恋人、通彦との関係や二人が夕食を食べるシーン、好きでした。
ちょっと心が疲れた時に読みたい作品。肩肘張らずに読んで、じんわり温(ぬく)もってください。

「強運の持ち主」

強運の持ち主 【電子書籍】[ 瀬尾まいこ ]

価格:540円
(2019/4/16 13:43時点)
感想(0件)

*******
新品)

強運の持ち主 (文春文庫) [ 瀬尾 まいこ ]

価格:572円
(2019/4/16 13:48時点)
感想(17件)

中古)

【中古】 強運の持ち主 / 瀬尾 まいこ / 文藝春秋 [文庫]【メール便送料無料】

価格:269円
(2019/4/16 13:51時点)
感想(0件)

このページのトップへ
「 犯罪史上、一八八八年の切り裂きジャックの事件ほど、陰惨で血腥いものはほかにない。しかしこの事件は、ミステリーを愛する者にとっては、特別味わい深いものである。
その意味で、シャーロック・ホームズ冒険譚とよく似ている。いかに血と悲劇を扱った物語であろうとも、今のわれわれが手にとり、読めば、郷愁にも似た得がたい味わいが、行間からたちのぼるのを誰もが感じる。これは何とも不思議な喜びというほかはなく、それはちょうど世界一苦い酒が、百年の時を経て、最も豊潤な甘みを得た様子にも似ている。」

 出典:『 切り裂きジャック・百年の孤独 』島田荘司  より


19世紀末ロンドンで起こった「切り裂きジャック」事件は、その正体について現在まで繰り返し論議されるも、犯人は不明のままです。そして色々な作家がこの謎と犯人についての作品やジャックをモチーフにした作品を書いています。

島田荘司さんのこの作品も、ジャックをモチーフにして書かれた作品の一つです。

1888年ロンドンを震撼させた凶行から百年後の1988年ベルリン
まるで切り裂きジャックが甦ったような陰惨な連続娼婦殺人事件が起こる。
1888年ロンドンと1988年ベルリンの事件が交互に描かれるスリリングなストーリー展開。
百年の時を隔てた二つの事件の真相が完全解明される?!

思いもよらない意外な犯人には驚かされましたが、読み返してみると確かに伏線は張られているんですよね。
切り裂きの動機も含めて、今までになかった解釈にも妙に説得力を感じます。
1888年の霧深いロンドンと1988年(現在)のベルリンを行き来しながら夢中で一気読みしました。

探偵役である「切り裂きジャック研究会」名誉顧問のクリーン・ミステリ氏(!)には思わずニヤリ!

「切り裂きジャック・百年の孤独」 
電子書籍 切り裂きジャック・百年の孤独 島田荘司 税込 630 円 
*******

【中古】 切り裂きジャック・百年の孤独 文春文庫/島田荘司【著】 【中古】afb

価格:198円
(2019/4/15 00:28時点)
感想(0件)

このページのトップへ
「 (分っている。人は神にはなれない)
だからーーー分っているからこそ、最後の審判は人ならぬものに託したかった。
壜がどこへ流れ着くか、その確率は問題ではない。
ただ、海にーーーあらゆる生命を生み出したこの海に、最終的な己の良否を問うてみたいと思った。」

 出典:『 十角館の殺人 』綾辻行人  より


綾辻行人さんの「館シリーズ」は有名ですが、その中でも「十角館の殺人」は第一作目にして、新本格ブームを巻き起こしたといわれる傑作です。

孤島に建つ奇妙な館。その「十角館」で一週間を過ごそうとやってきた大学ミステリー研究会の7人。
「十角館」を建てた建築家、中村青司は半年前、その孤島にあった自宅「青屋敷」が炎上し焼死したという。
やがて学生たちを襲う連続殺人…。

この作品は1987年出版ですが、初読の時の”やられた!”という衝撃はいまだに忘れられません。
作品を語る時によく言われる“ 衝撃の一文 ”も 最初は読み過ごしそうになって “ えっ!! ” 
うーん…と唸りましたね。
それほど新鮮な読書体験で、その後、綾辻さんの本が出るたびにむさぼるように読みました。
(勿論、「館シリーズ」の他の作品も!)

この作品に関してはまだ特色?があり、かなり有名なのですが、未読の方は敢えて、そういう情報を一切知らずに読んで驚いて欲しい。

ちなみに衝撃の一文は冒頭の引用ではありませんので ご安心を。
でも、この冒頭の文章もわたしはとても印象深かったです。

「館シリーズ」はそれぞれに魅力的なのでまた印象に残る作品を記事にできたらと思っています。

未読の方はまずはこの作品でミステリーの面白さと驚きの結末を是非!!

新品)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫) [ 綾辻 行人 ]

価格:810円
(2019/4/12 22:17時点)
感想(39件)

中古)

【中古】十角館の殺人 【新装改訂版】(館シリーズ1) / 綾辻行人

価格:498円
(2019/4/12 22:18時点)
感想(1件)

このページのトップへ
「 誰が泣いとるんじゃろうか。
いや、何が啼いとるんじゃろうか。

 出典:『 夜啼きの森 』岩井志麻子  より


今回は岩井志麻子さんの長編「夜啼きの森」です。

岩井さんの作品といえばデビュー作でもある「ぼっけえ、きょうてえ」(岡山弁で“とても怖い”という意味)が有名です。表題作を含めた中編4本、全編、岡山弁で語られています。

ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫) [ 岩井 志麻子 ]

価格:604円
(2019/4/10 19:33時点)
感想(32件)


そして、この「夜啼きの森」も昔の岡山北部寒村が舞台。
この物語は実際の事件「津山三十人殺し」をベースにしています。
犯人の都井睦雄から作者はこの作品の糸井辰男という人物を創り上げました。

同事件をモデルにした作品といえば「八つ墓村」のイメージが強いのですが、これは映画などの、あの衝撃的なシーンゆえもあるのかもしれません。

この作品では“辰男”の視点でなく、彼を取り巻く村人達の視点から書かれています。
事件(大量殺戮)に至るまでの昏く粘りつくような閉塞感。
飢えや貧困を加速させていく時代背景、鬱屈した毎日。
閉鎖的な村の歪んだ因習が狂気を蓄積させていき、満月の夜、辰男は異形の鬼と化す。
そして、村人からも妻や姑からも馬鹿にされている虔吉
彼が自分の代わりとして辰男に重ねる思いとその最期は何とも切ない。

人の心の闇の深さ。
そして闇に囚われたものの凄まじさ、何と哀しく寂寥たる荒野をいかねばならないものか。

冒頭の「誰が泣いとるんじゃろうか。いや、何が啼いとるんじゃろうか。」という言葉。
終章の最後の方でも語られます。
”人でないもの”になってしまった”あの子ら”が啼く森。

空には大きな満月。

夜啼きの森【電子書籍】[ 岩井 志麻子 ]

価格:540円
(2019/4/10 22:18時点)
感想(1件)


【中古】 夜啼きの森 / 岩井 志麻子 / 角川書店 [単行本]【メール便送料無料】

価格:299円
(2019/4/10 22:20時点)
感想(0件)

このページのトップへ
「 彼は三十歳ちょっと。努力したかいがあって、この間やっと自分の家を持つことができた。この家。小さく、都心へ通勤するにはけっこう時間がかかり、借金もたくさん残っているが、とにかく自分の家なのだ。
家族は妻と坊やひとり。数ヵ月後には、もうひとり子供が うまれる予定だ。こんどは女の子だといいな。男は楽しく空想した。高望みすればきりがないが、いまのところ大きな不満のない生活といえた。」

 出典:『 午後の恐竜 』星 新一  より


今回は“ショートショートの神様”とも呼ばれた 星 新一 さんの本のご紹介です。

この本には表題作「午後の恐竜」「狂的体質」「戦う人」「契約時代」「理想的販売法」「幸運のベル」など全11編が収録されています。

星さんの本はどれも読みやすく短編でありながらも意外な結末が心に残るものばかりです。
そして結末を知りつつも何度でも飽きずに読み返したくなります。
その中でもわたしが一番印象深いのが、この「午後の恐竜」です。

冒頭に引用した、主人公のささやかだけれども幸せな生活ぶりの描写。
「午後の恐竜」という題名の意味とは?

この一編を読み終わった時に、
あなたは どんなことを思うでしょうか。

この本が気に入ったら是非、星さんのショートショートの世界に足を踏み入れてみてください。

「午後の恐竜」
電子書籍 午後の恐竜 星 新一 税込 497 円
*****
紙の本ならこちら↓
新品) 

午後の恐竜改版 (新潮文庫) [ 星新一 ]

価格:496円
(2019/4/1 04:22時点)
感想(13件)

中古)

【中古】 午後の恐竜 新潮文庫/星新一(著者) 【中古】afb

価格:383円
(2019/4/1 04:27時点)
感想(0件)

このページのトップへ

Information

つきの
  • Author: つきの
  • 『つきの』の本棚にようこそ!
    本の扉を開けて色々な物語の旅に出かけませんか?

Search

Calendar

09 « 2019/10 » 11
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

 

最新記事

最新コメント

月別アーカイブ

カテゴリ

“ご訪問ありがとうございます”

web拍手 by FC2

アクセスカウンター

ブログランキング

MAIL

名前:
メール:
件名:
本文:

FC2ブログ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

FC2アフィリエイト

楽天

NETOFF(ネットオフ)

ネット書店

電子書籍

アフィリエイト関係

レンタルサーバー

ポイントサービス・懸賞